見上げてごらん!

7月15日(月)の『海の日』が過ぎ、これから本格的な夏を迎えます。晴れた日は空の透明度が増し、太陽が一段と眩しく感じられる季節です。
太陽光には目や肌に有害な紫外線が含まれ、照りつける暑さは熱中症の原因になりますので十分な注意が必要ですが、夏の日照は農作物の生育には非常に重要であり、私たちにとっても「自然の光」のありがたさを知り、満喫する良い時期でもあります。
人類が意思を持って「人工の光」を利用しはじめたのは、50万年ほど前の原人(北京原人)あたりではないかと考えられています。光とは言っても、この頃は火です。暖を取り、加熱調理をし、猛獣を遠ざけ、そして暗闇を照らす…、そんな様子が想像できますね。
それからずいぶん経って、紀元前3世紀にロウソクが誕生し、そしてついに1879年、トーマス・エジソンが実用に耐えられる白熱電球を発明しました。
人工の光によって私たちは計り知れない恩恵を受け、今、このように生活しているわけですが、太陽光に代表される自然の光に接するとみなぎるようなパワーを得たり、月明かりや星あかりによって緊張した心がホッと癒やされるのもまた事実です。
夕暮れ。空の主役は太陽から星に変わります。
現代は都会のみならず、少し離れた郊外でも街は明るく、星が見えにくくなりましたが、それでもまだいくつもの優しい自然の光が輝いていることに気づきます。
数ある星のなかでも子供が最初に覚えるのが「北斗七星」。
北斗七星をよく見ると6番目の星「ミザール(2等星)」のすぐ近くに「アルコル(4等星)」があります。古代ギリシャやローマ、アラビアなどでは、寄り添うように並んだこの2つの星をはっきりと見分けられるかどうかで視力検査をしていたという言い伝えがあります。
きれいな星が天上に散りばめられているというのに、ちょうどその頃、私たちは仕事や人間関係に疲れ、肩をすぼめながらうつむき加減に帰途をせわしなく歩きがちです。
そんなときは一度立ち止まって夜の星を見上げてみましょう。きらめく星たちと向き合えば、目と心のリフレッシュが出来るのではないでしょうか。
天の川のほとりで、イチャついている星がいたら、それは織姫と彦星。
やっと出逢えた二人なので、許してあげましょう。